Tom Steck "Road"
2006 / 06 / 27 ( Tue ) |
Tom Steck "the Gathering"
2006 / 06 / 27 ( Tue ) ![]() 何もない草はらに テントが一つ建っている 夕方五時になると どこからともなく人が現れ みんな そのテントを目指して草原を歩く 誰も話さない 誰も歩みを止めない 導かれるように テントの中に消えてゆく 夜の帳が下りて 鈴の音に僕は目を覚ます ああ サーカスが来るのだ そう考えて 僕は寝返りを打った ********* レイ・ブラッドベリの「最後のサーカス(The Last Circus)」を思い出した一枚。いま原本が手元に無い上に、かなり昔読んだ時の雰囲気しか覚えてないため、上の文は全然短編を反映していないような気もするが。 人間って不思議なもので、突然昔大嫌いだった物が大好きになったりする。特に生理的・精神的に受け付けなかった物は、それを理解・克服しようとする意識が働くのか、逆にもっと知りたくて仕方がなくなってしまう。初めて私がレイ・ブラッドベリの子供用の本で「恐竜物語」を読んだ時、そのあまりの言葉に出来ない恐ろしさに二度と読むまいと心に決めていたのだが、今ではあの不気味さと不可思議な印象を求めて、レイ・ブラッドベリが読みたくなってしまう。 同じ理屈で、昔はミヒャエル・エンデの大人向けの物語(「鏡の中の鏡」など)やH・G・ウェルズ(「タイム・マシン」など)が大嫌いだった。自分の恐れていた悪夢に囚われてしまったような世界と、二度と戻ることができないような、焦りの募る恐怖心を生み出すこれらの話は、見るのも怖くて母親の部屋に本を押し付けていた(一人でその話を知っているのも怖くて、皆にその本を読むことを強制したりもした)。 子供が見たらトラウマになるであろうヤン・シュバンクマイエルの映画などの不気味なクレイ・アニメも、気持ちが悪いと思いながら、クセのように観てしまう。そして、こういう作品に限って、全ての作品を読みたい・観たいと思ってしまうのだ。ちなみに、私は幼い時にNHK教育の「みんなの歌」で放送されたクレイ・アニメ付きの歌「メトロポリタン・ミュージアム」が死ぬほど恐ろしかった。今でも観ると、やはり怖い歌・映像だと思うし、極度の緊張感が生まれる。だが、それでもやっぱり観てしまったりする。 |
Regine Verougstraete "the Stairs"
2006 / 06 / 27 ( Tue ) ![]() お母さんやお父さんには見えないんだ でも 僕は知っている 誰もいない時 僕が2階に上がろうとすると 階段の上に アイツがいるんだ 僕が一人で上がってくるのを待っていて 僕を食べちゃうつもりなんだ 作り話なんかじゃないさ ほら あの暗闇の奥に アイツは息を潜めて 僕を待ち構えている 誰かが一緒の時は消えてしまうくせに 僕が一人だと 必ずアイツはいるんだ 階段の上でアイツは ニタニタしながら僕を待っているのさ *********** この絵を見てまず思い出したのが、レイ・ブラッドベリ(Ray Bradbury)の「階段をのぼって(The Thing at the Top of the Stairs)」。短編で、いま手元に原本が無いから直接の引用は書けないけど、内容は私が上に書いたような感じ。子供の頃に自分が恐れていた2階のアイツ。大人になっても、そんな子供の頃の恐怖心に束縛されている自分を知る主人公。理屈じゃないんです。 |
Paulette Lee"Sip of Coffee"
2006 / 06 / 16 ( Fri ) ![]() 去年の秋にキプロスに行ったのだが、「最後の分断された都市」と呼ばれるニコシアの南キプロス側を散策した時に友人と入ったカフェがまさにこんな感じだった。配置もアーケードもテーブルも一緒。タイトルに"Sip of Coffee(コーヒーを一啜り)"とあるが、私もこの店でキプロスコーヒーを飲んだ。トルココーヒーと同じでとても甘く、ドロリとした食感がある。私は大好きだ。ただ、これをアップルパイと共に飲んだ、というのは少しやり過ぎだったかもしれないが…。 |
The Sweetest Dream from My Memory
2006 / 06 / 15 ( Thu ) ![]() 遠い昔。本当にあったかどうかさえも定かでなくなってくるほどの遠い昔。私はこのロンドンの灯を越え、あの月を越え、永遠の国へ行った。永遠に年を取らない国。永遠に生き続ける国。そして永遠に存在しない国。新緑が包む森の奥、星の光を顔に受けながら、あの少年は微笑んでいた。白鳥ように純白の歯を覗かせた少年は、その小さな手を私に差しのべた。「ウェンディ」彼は言った。「ずっと、ずっとここにいてね。」 それは無理な相談よ。私は帰らなきゃならない。 「君がお母さんになってくれて、迷子たちはすごく喜んでいるんだ」 私はお母さんの役を演じているに過ぎないわ。私は本当のお母さんじゃないの。 「ぼくも君がいてくれるとうれしいよ」 あなたはお母さんがほしいのよ。私にいてほしいんじゃない。 「どうしたんだい、ウェンディ?どうしてそんな悲しそうな顔をするんだい?」 彼には永遠に分からない。自分が大人になってしまうことを知っている者の哀しさが。人は変わらずにいることなどできないのだ。私はいつまでも彼と同じではいられない。彼は永遠の少年でも、私は大人の女の人になってしまう。 「ねえ、ウェンディ。どうして黙っているの?」 少し心配そうな顔が私を覗き込む。そんな彼に、俯いていた私はゆっくり眼を上げて答える。 「ピーター。ここはいつまでもネバーランドなんでしょうね。」 そう、ここは永遠に存在しない。私の夢も、永遠に叶うことはない。 不可思議な私の言葉に、彼は怪訝な顔一つせず、笑って両手を広げてみせる。 「当たり前じゃないか。ここはずっとネバーランドだよ」そして彼は、私の周りをぐるりと飛んだ。無邪気な瞳が、月の光にきらめいている。「ぼくのネバーランドだ。」 どんな子供も、いつかは成長してしまう。多くの男の子は、その現実を拒否する。彼らはいとも簡単に、自分たちの世界を作り上げてしまう。あの時、ネバーランドへ行ったジョンもマイケルも、その生活に溶け込んでしまうまで、そう長くはかからなかった。「女の子は男の子より賢いんだ」初めて会った日、ピーターはそう言った。だから、乳母車から落ちてネバーランドへ来る子供は、みな男の子なのだと。そうなのかもしれない、と私は思う。女の子はみな、直感で知っている。自分がやがて母親のようになるのだということを。ある者は少しでも早くそうなることを望み、ある者は期待と不安を胸に待ち、ある者は半ば諦めて、それを受け入れる。 いつ、私は気づいたんだろう。今の生活が束の間のものでしかないことに。あれほど毎日がスリルと冒険に満ちていた日々の中でさえ、私は、家に帰らねばならないと思った。ネバーランドに住み続けても、幸せにはなれないのだと。今でも、あの時の彼の表情が忘れられない。両親の元へ戻りたいと告げられ、彼の瞳は、傷ついた動物のように弱々しく震えていた。 私は、少女のままでいられたら、どんなにいいだろうと思った。全てを忘れて、彼と迷子たちと、今まで通りに暮らせばいい。そうすれば、ここ以上に素晴らしい場所はないのに。だが同時に、私は、彼が成長できたら、私と共に大人になれたら、どんなによかっただろうと思った。それは、ほとんど苛立ちでさえあった。成長を止めることはできないのだ。たとえネバーランドに残ったとしても、好まなくとも、私は彼を置いたまま、大人の心を持つようになっていくだろう。そうしたら彼は、私の気持ちを支えきれない。なぜなら彼は、永遠の少年だから。私は、帰らなくてはならない。少女時代に別れを告げるために。報われぬ恋心を胸に秘めたまま、少女から女性へと変わっていくために。 あれから、どれだけの月日が流れたのだろう。気がつくと、私はドレスを纏い、こうして社交界の雑踏に紛れていた。シャンデリアの灯りを受けて艶々と光るタキシードの紳士たちが、頬を上気させて私の手を求めてくる。私はもう習慣となった笑みを浮かべ、彼らと歩みを共にする。やがて私は彼らの中の一人と結婚し、子供を設け、家庭を築いていくのだろう。拒絶するつもりはない。むしろ、そうなるべきなのだと思っている。それが現実なのだ。そう考える自分に、もう昔のようには戻れないことを知る。 あの頃、世界はなんて楽しくて、なんて単純だっただろう。物語に心躍らせ、海賊になりたくて、人魚にうっとりし、それでいて母親のドレスに憧れたあの日々。永遠に続くと思っていたあの頃は、いつの間にか過ぎ去り、いつしか空の飛び方も忘れてしまった。今では、部屋の隅に置かれたままの古びたおもちゃ箱だけが、あの時の名残を見せている。 それでも、こうしてロンドンの街が夕闇に沈み、薄蒼の奥から白くほっそりとした月が浮かび上がると、思い出さずにはいられない。あのおぼろげな月の向こうにある、失われた国を。あのあどけない顔をした少年を。私の少女時代の全てが詰まった、記憶の奥底に浮かぶ、あの最も甘く優しい夢を。儚い記憶の断片から少しだけ蘇る、あの時の感覚。それはとても温かく、涙が出るほど懐かしく、そして美しい。 今も、時々バルコニーに立つ。優しい夜風に吹かれ、夕空がやがて星空に変わる時。ほんの少しだけ、あの頃に戻れるような気がする。自分に素直で、心から笑うことができた、あの頃。心地良い夜の帳は、年月が変えた私の中から、無垢な、夢を見る少女の私を呼び起こす。あの頃の私を忘れなければ、そうしたら、また私はネバーランドに行けるだろうか。月に、そう問い掛けてみる。月は、答える代わりに、柔らかい光の波を私に降り注ぐ。 そう。そして私は未だに待っている。かつて私にもできたはずの微笑みを浮かべたあの少年が、星の瞬きを背に受け、再び私を迎えに来ることを。 |
Donald Hildreth"Summer Evening - Hollywood Bowl"
2006 / 06 / 15 ( Thu ) ![]() 蒼き夜を彩りますのは 私たちの輝く光 それ以外の光は 空をいよいよ蒼く染めまして 星の如く私たちは より一層瞬くのです さあ 今宵は祝いの夜 真夏の夜の夢に とくとご心酔くださいませ 皆様に束の間の安らぎを差し上げますのは 私たちの白き幻想 |
Marinus Welman
2006 / 06 / 15 ( Thu ) |
ゲインズバラ
2006 / 06 / 15 ( Thu ) |
Clifford Bailey "Caldonia!"
2006 / 06 / 13 ( Tue ) ![]() ほら そんなしけた顔しなさんなって ふくれっつらなんか おさらばさ 嫌なこと全部 笑い飛ばしてしまえばいい ちょうどリズムもスィング・ビート さあ 踊って踊って! 人生なんて ただのステージさ 歌って踊って 楽しんだもの勝ち じゃあ 今夜もパァーッと派手にいくよ! |
Anneの絵より
2006 / 06 / 13 ( Tue ) ![]() また来ている。 3度目の注文を取りにいった時に気がついた。 彼女だ。 目の醒めるような青いドレス。ちょうど彼女は、いつもの席に着くところだった。 毎週土曜の昼間だ。彼女はいつもあのドレスで、入って右の、奥から2番目のテーブルに着く。 彼女の注文を取ったことは一度もない。だが僕は、彼女が来るといつも気がついた。 彼女がここに通うようになったのは、アジサイの色が冴え出した、6月の半ばだった。いつも一人だ。何を食べるわけでもなく、グラス一杯の高級な赤ワインを時間をかけて飲み干し、そして去っていく。いつも、それを繰り返している。 3週目のあたりから不思議に思うようになり、1ヶ月も過ぎると彼女の来店はもう習慣になってしまった。それ以来、いつも土曜に日が高くなり出すと、目の端で店内に彼女の姿を探すようになった。 他には誰も気づいた様子がない。なぜなんだろう、あんなに際立つドレスを着ているのに。せわしなく動き回る他のウェイター達を見ながら、僕は訝しがる。ウェイター達は、昼でも賑わう店に集う、煌びやかな装いの人々を相手するのに手が一杯のようだった。 ああ、そうか。注文を取り終え、キッチンに戻る途中に彼女をもう一度ちらっと眺め、僕は答えに気がついた。あまりにも、彼女が悲しそうだからだ。泣いてはいない。でも、その目はどこか遠くを見ていて、眉は小さな苦痛にでも耐えるように、軽く寄せられている。諦めたように口元を閉ざし、時節ワインを注ぎ込む時にだけ、うっすらと開いている。憂いを帯びた表情、とはこういうことをいうのだろう。 楽しそうな店内の人々とは、まるで正反対だ。華やかな笑い声が響く中、たった一人でワインに手をかける彼女の姿は、なんだか浮いていて、余計に寂しそうにみえた。 今にも消えてしまいそうだ。 僕はそう思った。 ![]() 気づいたら、彼女が僕の目を見ていた。 僕は、彼女がいつも飲むワインのボトルと色々な果物が詰まった皿をテーブルに置く。 「この葡萄がお好きのようですね。でも、他の果物だって捨てたものじゃありませんよ」 確信をついたのか分からない。突拍子もない的外れなことを言ったのかも知れない。 それでも彼女は、しばらく目を伏せてから、その口元に小さな笑みを浮かべた。 「ありがとう」 |
イーエスコウ城の人形
2006 / 06 / 04 ( Sun ) 世界不思議発見!のサイトより
アンデルセンもその美しさを絶賛したというイーエスコウ城というお城へも行ったのですが、そこにもちょっと怪しげなものがあったんです。お城の屋根裏に「絶対移動させてはいけない」という人形があるんです。人形を動かすとお城が水没するという言い伝えがあって、400年間もそのままの状態になっているんです。私もその人形を見せていただきました。人形は多分木でできていたと思います。それが、まっすぐあお向けに置かれていればいいのですが、討ち死にしたような体勢で、しかも微妙に手がなかったりして(笑)、「いったいこの人形に何があったの?」と感じるミステリアスな人形でした。そのお城は回りにお堀があって湖に浮かんでいるように見えるんですね。ですから言い伝えも信憑性を増したのでしょうけど、400年も守りつづけているというのは本当にスゴイと思いました。でもお城はアンデルセンが絶賛していた通りとても美しかったです。 デンマークでは「アンデルセンの童話は人生で3度読め。幼少期、青年期、そして年老いてから」と言われているそうです。 |
エロイカより愛をこめて
2006 / 06 / 04 ( Sun ) ある「エロイカ〜」の個人サイトでのコメントより:
大昔、少佐と伯爵の短いプロフィール漫画みたいので、少佐は28〜32才、伯爵が24〜28才位?とかあったと思うのですが、コミックス収録されてますかねえ。確か少佐も給料日には部下引き連れて歓楽街くりだすこともあるかも…、とかいう。Z君の「30歳前後の強面ハンサム」の表現が何気に嬉しかったです。 大昔に手放してしまったイラスト集には、漫画無しのプロフィールだけが載っていました。確か年齢はそんな感じで。身長も大まかな数字が書かれてありました。・・・給料日には部下達を引き連れて・・・というラフ画は「ノルウェイブルーの夢」に載っていますよ♪・・・>「30歳前後の強面ハンサム」私も私も!あれは本当に嬉しかった! …そんなのあるんですか?!すんごく見てみたいのですが…。 |
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